ご挨拶 Message
ドラッグストアにいくと、EPAなどのサプリメントが山のように並んでいます。EPAを含む魚などの食物を食べると心疾患の予防になるなどとよく聞きますが、魚をどれくらい食べたかはどう評価するのか、心疾患の予防とはどう測定するのか、疑問に感じたことがありますでしょうか?疫学研究は、人の集団における健康・医療に関する諸問題に対し、解決すべき課題を明確化し(目的)、何人にどのようにデータをとるか(計画デザイン)、どのように解析するか(統計解析)、その結果から何が言えるか(社会への還元)を検討する医学研究分野です。
疾病予防学研究室では、健康・医療における諸課題を解決することを目的として、疫学研究の計画・実践に取り組んでいます。関連する分野は、がん・循環器疾患・女性医学など多岐に渡ります。また、疫学研究だけでなく、臨床試験から薬剤疫学研究まで様々なタイプの医学研究にも関わっています。
私は薬学部の学部生のころ、薬の開発や人を対象とした臨床研究を勉強したいと思っていました。当時、薬学系分野では臨床研究を扱う研究室はとても少なく、基礎研究が主流でした。臨床研究といえば病院・医学系分野で行われることがほとんどであったと思います。しかし近年、診療報酬などの医療系ビッグデータの整備と応用が広がり、医学系だけでなく、様々な分野の研究者が大規模データベースを利用可能になっており、今後は多くの分野の研究者が医学研究に関わり、様々な分野が混ざり競い合うことで、多様な価値創造がされることが期待されています。
薬学部の学生は、健康の基本・医薬のメカニズムを学部で学んでおり、今後医療データベースの分野で多様な活躍ができると考えます。当研究室では、疫学・公衆衛生分野を理解し、将来産官学で活躍できる人材を育てることも目指しています。疫学、臨床疫学、薬剤疫学、また、関連して医療統計や公衆衛生に興味がある方はいつでもご連絡下さい。